最初の難関が地方政府批准申請です。
工商、貿易、投資等の案件を審査する地方政府のトップの組織と理解したらいいでしょう。ここの認可がなければ環境局や労働局など各局の申請すら出来ません。
外資会社設立必要書類
1, 企业名称预先核准通知书
事業名暫定承認通知書で『暫定』というのは批准がされていない、つまり会社設立そのものが認可されていないからです。
中国では国家、又は地方政府に認可権限があります。
ですから、一定期間内に会社設立が終わらないと事業名(会社名)登録は取り消されます。
会社名を申請して登録が終わるとこの書類が発行されます。
2, 授权办理前期手续的授权书。
これは代行会社など投資人以外の人が申請する場合には手続きのための委任状が必要です。
3~6, 设立外资企业申请书
3, 立項申请
4, 设立外资企业项目申请书
5, 设立外资企业申请
6, 设立外资企业项目申请表
なんだか同じような名称の項目が並んでいますが申請地や申請内容により要求する書類や表現が異なりますので確認されることをお勧めします。通常は設立外資企業申請表で批准申請窓口で入手します。
7, 董事会成员名单及其身份证明
董事长:
董事长とは日本語では理事長とでも訳すのでしょうか?この場合は投資人代表という意味が込められています。
副董事长:
董事:
設立申請には上記の3名が最低必要になります。また、董事を増やすことは出来ます。
申請書には董事会構成員全員の役職、氏名を記入します。また全員の身分証明書を添えます。
8, 董事会成员委派书
会社規定に依り*******を理事長に任命するという様式になります。
理事会構成員全員の任命書を作成します。
9~11, 投资者的资信证明原件
日本で準備した書類でパスポートコピー、日本にある中国領事館で取得した書類や銀行発行の預金残高証明などになります。
但し、預金残高証明はそのままでは通用しません。
中国語に翻訳した預金残高証明が必要で、自分で作成して翻訳会社の会社印を捺印してもらえば十分です。
会社設立代行会社は自社印を捺印します。
12, 注册场所使用证明含租房协议书和出租方房屋产权证明
会社所在地で賃貸契約書及び賃貸物件の所有者の物件登録証明書が必要になります。
物件登録証明書とは日本で言えば土地登記書や家屋登記書ですので第三者に預けるということはしません。
その為物件所有者に同行してもらうことになります。
日本にいながら中国で会社設立する場合、代行会社の自社関連物件が会社所在地になり、資本金が物件賃貸費に消えた!ということも…..注意が必要です。
13, 章程
会社定款です。
中国での会社定款ひな型があります。
14, 可行性研究
F/S調査報告書と呼ばれるもので、ちょっとテクニックを要しますので、こちらに要点とサンプルを作成してみました。
要求される内容を原文で公開しています。F/S報告書は会社設立で最も難しい部分ですが、この内容に沿って報告書形式にまとめることで、F/S報告書を作成することが出来ます。
サンプルに試算表を入力し、A4用紙で体裁を整え印刷するだけでそのまま利用出来る内容です。(業種により中国語の意味するところを適当に変えてください)
15, 法律文件送达授权委托书
2, 授权办理前期手续的授权书とほぼ意味合いは同じです。
但し、前者が『手続き』委任であるのに対し後者は『書類をなにがしに預けたことに間違いない』という意味合いになります。
16, 房屋租赁备案
家屋賃貸登録とでも訳したらいいのでしょうか?
ちょっと、適当な言葉を思いつきませんが、これは日本には無い概念なのです。
租房协议书という言葉を思い出してください。日本語では賃貸契約書にあたり、貸主と借主の契約書ですね。これに対し房屋租賃とは地方政府との契約に当たります。
判りやすく言えば、地方政府と貸主か地方政府と借主なのかということですね。
ざっくり言えば税を誰が払うか?ということです。
『そりゃ、家主でしょ』と思うのは日本的思考で中国では異なります。
しかも、その税率は年間賃貸額の17.5%になります。
これを誰が払うか?という問題なんですね。家主は払いませんし、もし家主が支払うとすれば当然その分を上乗せします。ですから、一般的には借主が支払うことになります。
しかし、借主とて、とてもそんな額は払いたくない….。
ということで、両者協議の上、賃貸契約書が2通作成されるということもあるようです。
一通は家主との契約書でもう一通は房屋交易所提出用ということですね。ということで、ほぼ半額の税を支払い房屋祖賃証明書が発行される…ということもあるようです。(China_Townの推測です)
批准申請はちょっと労力が必要です。
しかし、難しい作業ではありません。担当者と親しくなれば記入の仕方も教えてもらえます。
次では(5)営業許可申請をします。
